治療のこだわり
1. 宇治矯正歯科クリニックでは絶対にバンドを使用しません。
ブラケットが外れてしまう可能性はありますが、虫歯をつくるより遥かによいと考えています。
歯を動かすために装着するブラケットやチューブ、以前は厚さ約0.1mmの薄いステンレスの板(バンド)を歯に巻き付けて維持する方法が主に用いられていました。1本1本の歯を動かす方法は、この方法で始まりました。すべての歯にバンドを装着するのに片顎(かたあご)だけで3~4時間かかっていたそうです。
この方法は強固な固定が得られる半面、大きな3つの問題があります。
セパレーティングエラスティクス
小さなゴム等を歯と歯の間にはさんで、バンドを歯に巻きつけるためのすき間をつくります。これが、意外と痛いのです。この痛みに耐えられずに矯正治療を断念する方もいらっしゃるくらいです。
バンドカリエス
バンドはセメントで合着するのですが、このセメントが溶出することがあり、溶出したスペースにプラーク(歯垢)が溜まり、磨くことができないために帯状の虫歯になってしまうのです。
バンドスペース
矯正治療終了後にこのバンドは外しますが、どうしてもスペースが残ってしまうため、食片圧入(歯と歯の間に食べ物等がはさまってしまうこと)がおこって歯肉を痛めたりします。
2. 宇治矯正歯科クリニックには『Smile Factory』という技工所があります!
『Smile Factory』は札幌で初めての矯正専門の技工所です。歯科技工士さん達が毎日、皆様の模型や装置を一生懸命作ってくれています。
3. Set-up model
宇治矯正歯科クリニックでは、より良い矯正治療の結果を目指して、すべての永久歯咬合の患者様にこのSet-up modelを作成しています。
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今、世間では耐震偽造の話題が注目の的です。やはり、正確でうそ偽りのない設計図が大切ということでしょう!実は矯正治療においても設計図、別の言い方をすれば未来予想図が不可欠なのです。
矯正治療における未来予想図がSet-up modelです。患者さんはそれぞれ個々の歯のサイズや傾斜やねじれ、顎の大きさ、でこぼこの状態が異なります。そこで、どの歯をどの方向へどのくらい動かすというのが必要なのです。
宇治矯正歯科クリニックでは、より良い矯正治療の結果を目指して、すべての永久歯咬合の患者様にこのSet-up modelを作成しています。
作成手順としては、
- 模型から副模型を作製(型を取って全く同じ模型をもう一つ作成)
- 歯軸を赤と青の線で表示
- 個々の歯をばらばらにして、歯を適正な角度や位置に配列
- 赤と青の線がそれぞれどのように移動したかによって、個々の歯の移動状況を確認、抜歯と非抜歯も検討するのです。
4. アポイントメントについて
歯科医院の約束って、けっこう忘れてしまいがちですよね。特に矯正歯科の場合、通常の治療は平均して1ヶ月後ですが、治療後の経過観察期間中は3カ月から1年後だったりするので、一般歯科の約束より忘れてしまいがちです。そこで、当クリニックでは次の二つの対策を行っています。
1.約束シール
毎回診療後に持って帰っていただいて、ご自宅のカレンダーに貼付けてもらうものです。受付に置いてありますので、ご自由にお持ちください。
2.ハガキでのご案内
次のお約束が3カ月以上空いてしまう方に、1ヶ月前からおハガキでお知らせを行っております。
5. バイオネーター
機能的顎矯正装置の一つ、Bionator(バイオネーター)をご紹介します。
Bionatorは夜寝ている間だけ使用して、あごの成長のコントロールを行うと同時に側方にも拡大して、永久歯が生えてくるスペースを確保する画期的な装置です。
拡大量は通常の拡大(2回転/月)で1ヶ月たったの0.4mmですが、1年間では約5mmものスペース確保になります。頑張って使用すれば、永久歯を抜かないで治療を終了できる可能性がかなり高くなります。
それにお口の中に一日中固定されている装置と違い、歯磨きがしにくくなる心配もいりません。
もっとも望ましい年齢としては9~11歳くらい。まれに15歳くらいから開始して効果が得られる症例もありますが、最も有効なのはやはり小学生の間(成長期)でしょう。
ちなみに、下の写真は開始した時の年齢が10歳の女の子で、上と下の前歯のずれは約11mm、上下の真ん中の線もずれていました。良い時期に治療を開始することができたのと、ご本人がとてもがんばり屋さんだったこともあり、すばらしい咬み合わせに仕上がりました。
以前相談をしたところでは、抜歯をするのでもう少し後で始めた方が良いと言われたそうです。
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治療前 | 治療終了時 |
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治療前 | 治療終了時 |